2025.11.17
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火災保険は「使わないと損」って本当?知らないと後悔する仕組みと使いどきまとめ

目次
- ○ 火災保険は「使わないと損」って本当?
- ○ 火災保険を「使わないと損」と言われる3つの理由
- ・① 保険料は上がらない(自動車保険と違う)
- ・② 申請回数に上限はない(何度でも使える)
- ・③ 申請しないと「自己負担」と「時効」で二重に損をする
- ○ 火災保険で補償される主な被害例
- ・自然災害による損害
- ・破損・汚損(不測かつ突発的な事故)
- ・室内の水濡れ・家財の損傷
- ・賃貸に住んでいる場合
- ○ なぜ多くの人が「火災保険を使わずに損」をしているのか?
- ・① 「この程度は保険の対象じゃない」と自己判断してしまう
- ・② 「使うと保険料が上がる」と勘違いしている
- ・③ 契約内容を把握していない
- ○ 「何回も使える」けど注意したいポイント・NGケース
- ・① 一度保険金を受け取ったのに修理しなかった同一箇所
- ・② 経年劣化・施工不良・メンテナンス不足
- ・③ 故意・虚偽申請は絶対NG
- ○ 申請前に確認すべき4つのポイント
- ・① 時効:原則「被害発生から3年以内」
- ・② 被害箇所の記録(写真・動画・メモ)
- ・③ 免責金額(自己負担)の確認
- ・④ 専門家・申請サポートの活用
- ○ よくある質問(Q&A)
- ・Q. 火災保険を一度使うと、保険料は高くなりますか?
- ・Q. 火災保険の申請回数に制限はありますか?
- ・Q. すでに自費で修理してしまった箇所も、さかのぼって申請できますか?
- ○ まとめ:火災保険は「使ってこそ価値がある」保険
火災保険は「使わないと損」って本当?
結論から言うと、火災保険は「入っているのに使わない」ことが一番の損です。
・保険金を受け取っても
・保険料が上がることは基本的になく
・申請回数にも上限はなく
・被害ごとに何度でも請求できる
にもかかわらず、日本では「加入しているのに一度も請求したことがない」という人が多数です。
その結果、本来なら保険でまかなえたはずの修理費用を、自己負担で払ってしまっているケースが非常に多いのが現状です。
この記事では、
・なぜ「火災保険を使わないと損」なのか
・どんな被害が補償対象になるのか
・何度も使う場合の注意点
・申請するときのポイント
をわかりやすく解説していきます。
火災保険を「使わないと損」と言われる3つの理由
① 保険料は上がらない(自動車保険と違う)
「一度使うと保険料が高くなるのでは?」
という不安から、申請をためらう方がとても多いです。
しかし、火災保険には自動車保険のような等級制度はありません。
火災保険:
・等級なし
・「使ったからその人だけ値上げ」は基本的にナシ
・保険料は立地・構造・補償内容などで決定
自動車保険:
・等級あり
・事故で等級ダウン → 個別に保険料アップ
そのため、火災保険を申請したことが理由で、自分だけ保険料が上がることは基本的にありません。
(全体の自然災害リスク増加で「全国一律の値上げ」があるのは別の話です)
② 申請回数に上限はない(何度でも使える)
火災保険は、1回きりの保険ではありません。
・風災で屋根が壊れた
・数年後、雪害でカーポートが壊れた
・さらに後日、子どもが室内の壁に穴を開けた
このように、契約期間中に別々の事故が起きれば、その都度申請できます。
また、同じ箇所でも、
・1回目:被害 → 申請 → 修理
・2回目:別の災害で同じ箇所が再び被害
という流れであれば、修理した証拠(写真・領収書など)があれば再申請も可能です。
③ 申請しないと「自己負担」と「時効」で二重に損をする
火災保険には「請求の時効」があります。
多くの場合、
・被害発生日から3年以内
を過ぎると請求ができなくなります。
(契約内容によっては「○年以内に復旧完了が条件」といった制限がついている商品もあるので要確認)
つまり、
今までの台風・大雪・地震などで屋根・外壁・雨どい・室内に被害が出ているのに、何も申請していなければ時効で請求権が消えていく=完全に損という状況になりかねません。
✍【火災保険申請ガイド】火災保険の時効「3年ルール」について解説
火災保険で補償される主な被害例
「火災保険」と聞くと、「火事のときだけ」と思われがちですが、実際には以下のような幅広い被害が対象になる可能性があります。
自然災害による損害
・台風・突風で屋根の瓦や棟板金が飛んだ/浮いた
・雹(ひょう)で屋根・カーポート・窓ガラスに穴・ヒビが入った
・大雪で雨どいが曲がった/カーポートが潰れた
・豪雨や洪水で床上浸水し、建物や家財がダメになった
これらは、風災・雹災・雪災・水災などの補償で対象となる典型例です。
破損・汚損(不測かつ突発的な事故)
・家具の移動中に壁やドアにぶつけて穴があいた
・子どもがおもちゃを投げて壁に穴やキズをつけた
・室内のガラスや建具を誤って割ってしまった
契約に「破損・汚損」や「不測かつ突発的な事故」特約が付いていれば、こうした「うっかり事故」も補償対象になることがあります。
室内の水濡れ・家財の損傷
・上階からの漏水で天井や壁紙にシミ・剥がれ
・豪雨で床上浸水し、ソファ・家電・カーペットなどが使用不能になった
建物だけでなく、家財まで補償の対象として契約しているケースも多いので、保険証券の「建物・家財」の区分を確認しましょう。
賃貸に住んでいる場合
賃貸では、
・建物 → オーナー側の火災保険
・借主 → 自分の火災保険(家財)、
+ 借家人賠償責任補償・個人賠償責任補償
などが関係してきます。
・自分の不注意で室内を焦がした・壊した
・水漏れで階下に損害を与えた
といったケースでは、借家人賠償責任補償や個人賠償責任補償が重要です。
賃貸の方は、契約書と保険証券をセットで確認しておきましょう。
✍【火災保険申請ガイド】賃貸向け:借家人賠償保険と火災保険(破損・汚損特約)の違いと使い分けを徹底解説
なぜ多くの人が「火災保険を使わずに損」をしているのか?
火災保険の実際の申請率は2〜3割程度とも言われており、多くの人が「申請できるのにしていない」状態です。
その主な理由は次の通りです。
① 「この程度は保険の対象じゃない」と自己判断してしまう
・屋根の浮き
・外壁のヒビ
・雨どいの曲がり
などを、「老朽化だから仕方ない」と決めつけて放置してしまうケースが多く見られます。
実際には、
台風・大雪・地震のタイミングと被害状況から「災害起因」と認定されることも多いため、
自己判断で諦めてしまうのは非常にもったいないと言えます。
② 「使うと保険料が上がる」と勘違いしている
前述の通り、火災保険には自動車保険のような等級制度がありません。
それでもなお、「使うと高くなる」と思い込んで申請を避けてしまう方が少なくありません。
③ 契約内容を把握していない
・どこまでが補償されるのか
・免責金額はいくらか
・時効はいつまでか
といった基本情報を把握していないため、
そもそも「使えるかどうか」の判断ができない人も多いのが実情です。
「何回も使える」けど注意したいポイント・NGケース
「火災保険は何度使ってもOK」とはいえ、何でもかんでも通るわけではありません。
代表的な注意点・NGパターンを整理しておきます。
① 一度保険金を受け取ったのに修理しなかった同一箇所
・1回目:被害 → 申請 → 給付金は受け取ったが修理せず放置
・その後:同じ箇所がさらに悪化した
このケースでは、同じ箇所の再申請は基本的に認められません。
保険金の使い道は原則自由ですが、
・将来同じ箇所で被害が悪化したときに
・再度申請できない可能性が高い
というリスクは理解しておく必要があります。
② 経年劣化・施工不良・メンテナンス不足
以下のようなものは、原則として火災保険の対象外です。
・築年数相応の屋根材のヒビ・色あせ
・雨どいのサビ・たわみなどの経年劣化
・施工不良による雨漏りや不具合
・長年放置した結果の腐食・劣化
ただし、
・もともと劣化していた箇所に台風や大雪が加わって一気に壊れた
ようなケースでは、災害による「上乗せ分」だけが対象になることもあります。
このあたりの線引きは非常に難しいため、自己判断よりも専門家の目が有効です。
③ 故意・虚偽申請は絶対NG
・わざと壊して申請する
・発生日や原因を偽って申請する
・実際より誇張した被害を報告する
といった行為は保険金詐欺に該当する可能性があり、絶対にしてはいけません。
一度「不正の疑いあり」と判断されると、その後の正当な申請にも影響が出るリスクがあります。不正をするつもりが無くても"ちょっとしたミス”で疑いがかかることもありますので、慎重かつ正確に進めるよう心がけましょう。
申請前に確認すべき4つのポイント
① 時効:原則「被害発生から3年以内」
多くの火災保険では、
・被害発生日から3年以内が請求期限
とされています。
ただし、近年の改定で、
「○年以内に復旧した場合に限り支払う」
「復旧が条件」
など、復旧期限を設けている保険商品も増えています。
必ずご自身の保険証券・約款を確認しましょう。
② 被害箇所の記録(写真・動画・メモ)
申請時には、
・被害箇所の写真・動画
・被害に気づいた日時・きっかけ
・台風・大雪・地震など災害との関係
といった情報が重要になります。
スマホで構わないので「全体 → 中距離 → 接写」の3パターンで撮影しておくと申請がスムーズです。
③ 免責金額(自己負担)の確認
火災保険には、
「1事故につき○万円まで自己負担」という免責金額が設定されていることがあります。
・修理費用 < 免責金額
の場合は保険金が出ないため、
あらかじめ自分の契約がどうなっているか確認しておきましょう。
④ 専門家・申請サポートの活用
・自分では「経年劣化に見える」
・どこまでが対象か判断できない
・書類作成が不安
という場合は、
火災保険申請サポート業者や、建物に詳しい専門家に相談するのも一つの手です。
・被害の有無・原因の切り分け
・写真の撮り方
・見積書・事故状況報告書の作成サポート
などを受けることで、本来もらえるはずの給付金を取りこぼしにくくなります。
成功報酬型のサービスも多いので、費用面の不安も相談しやすいでしょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 火災保険を一度使うと、保険料は高くなりますか?
A. 個別の申請が理由で保険料が上がることは基本的にありません。
自動車保険のような等級制度はなく、
火災保険は「立地・建物構造・補償内容」などで保険料が決まります。
ただし、自然災害の増加などを背景に、
保険会社全体の料率改定(全契約一律の値上げ)が行われることはあります。
これは個人の申請とは無関係です。
Q. 火災保険の申請回数に制限はありますか?
A. 一度の事故で保険金額の8割を超えるような「全損」ケースを除き、回数制限はありません。
・別の箇所
・別の災害・事故
であれば、期間中に何度でも申請できます。
ただし、
・一度保険金を受け取ったのに修理していない同一箇所
・故意・虚偽申請
などはNGなので注意が必要です。
Q. すでに自費で修理してしまった箇所も、さかのぼって申請できますか?
A. 被害発生から3年以内で、写真や見積・領収書などの資料が残っていれば、さかのぼり申請できる可能性があります。
・修理前後の写真
・工事の見積書・請求書・領収書
などが重要な証拠になりますので、
過去の工事書類はできるだけ捨てずに保管しておくことをおすすめします。
まとめ:火災保険は「使ってこそ価値がある」保険
ここまでのポイントを整理します。
火災保険は
・使っても保険料は基本的に上がらない
・申請回数にも上限はない
・時効(多くは3年)を過ぎると請求できない
・「老朽化だから…」と自己判断で諦めると、本来受けられた補償を逃して大損
・一度保険金を受け取ったのに修理しなかった同一箇所は、再申請が難しくなる
・経年劣化・施工不良・故意・虚偽申請は基本的にNG
・不安なときは、写真の撮り方・被害の見極めも含めて専門家に相談するのが近道
まずは「我が家チェック」から始めてみましょう!
台風や大雪、地震のあとに
・屋根や外壁、雨どい、カーポート
・室内の天井・壁紙・床・窓まわり
に気になるキズや不具合はありませんか?
①気になる箇所をスマホで撮影
②保険証券を用意して補償内容を確認
③保険会社 or 火災保険申請の専門家に相談
この3ステップだけでも、
「今まで使わないまま損をしていた状態」から一歩抜け出すことができます。
火災保険は、「使わないと損」になりやすい保険です。
せっかく毎年保険料を支払っているなら、いざという時にしっかり活用して、ご自宅と家計を守っていきましょう。
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